明日の暮らしにちょっとしたエシカルを。

CAREER

仕事の悩みをひとりで抱え込む女性が急増中。適切な相談相手とは?

働く女性たちは仕事の悩みが尽きません。

仕事の悩みをどのように解決したのかを尋ねたアンケートによると、最も多い回答は「悩みを解決できていない」(47%)でした。 解決法として「相談をする」(40%)と回答した女性がいる一方で、「自分と向き合う」(32%)、「悩むことをやめた」(13%)のように、相談しないことを選んでいる女性も多いです。【参考:日経doors

ひとりで悩んでいるうちに、さらに状況が悪くなり、ますます相談することが難しくなる場合もあります。そこで、仕事をもつ女性たちの悩みと、その解決につながる相談相手について考えます。

女性が仕事の悩みを相談できない理由

女性の仕事の悩みのトップ5は次のとおりです。

1位:給料が低い
2位:上司・同僚との人間関係
3位:雇用が安定しない
4位:評価されない
5位:今後のキャリアプラン
参考:『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート集計結果

女性が仕事の悩みを相談できない理由のひとつは、職場に女性が少ないことです。 男性の上司や先輩、同僚に悩みを打ち明けるのは難しいものです。

仮に、職場に女性がいても、正社員か非正規社員か、既婚か独身か、子供がいるかいないかなどで、仕事や人生に対する考え方、価値観は全く異なります。最も多い「給料が低い」という悩みも、立場によってその中身はさまざまです。

正社員の悩みの多くは「任されている仕事の量や責任に比べて給料が低い」といった、会社と自身の評価の違いから生じるものです。非正規社員は「正社員と同じ仕事をしているのに給料が全く違う」と待遇の違いに悩んでいます。

相談しても話がかみ合わない、共感できないときには対立してしまうこともあるでしょう。さらに産休や育休の取得後、職場に復帰したら、かつての同僚や後輩が上司になっていた、逆に先輩や同僚が部下になった、ということもあります。

このように、職場の女性の人間関係は複雑になりがちです。パワハラやモラハラの意識の高まりもあり、職場でのなにげない言動さえ慎重にならざるを得ません。相手の立場を思いやる共感力が強い女性だからこそ、悩みを相談することをためらってしまうのでしょう。

では、仲の良い友人やパートナー、家族などの職場や仕事と繋がりがない人に相談するのはどうでしょうか。こうした場合、悩みを話すことで心は軽くなるかもしれませんが、仕事の悩みの解決にはつながるとは限りません。

悩みが解決できない理由は、働く女性のロールモデルがない

悩みが解決できない理由は、働く女性のロールモデルがない

仕事の悩みの第5位には「今後のキャリアプラン」が上がっています。厚生労働省の「平成30年度雇用均等基本調査」の結果(確報版)によると、管理職に占める女性の割合は、課長相当職以上で11.8%。仕事をもつ女性が増え、働く女性を支援する制度は整いつつあります。

しかし、依然として結婚や出産で仕事から離れる女性が多くいます。女性がキャリアを継続して積み上げていくことができない結果、管理職につく女性は手本となる存在が圧倒的に少なく、管理職についても、キャリアの見本となったり、相談できる先輩がいなかったりするのが現状です。

女性は、仕事と生き方のアドバイスをくれる相談相手を求めている

仕事の責任や難しさが増す中、結婚や子育てをはじめとする女性自身の課題や将来の人生設計を考えたとき、相談できる相手がいないと「仕事を辞める」という選択になりがちです。

また昇進や昇格を前に、重責を果たせるか、仕事と家庭・プライベートの両立ができるのか、といった不安、恐れから躊躇してしまうこともあります。 仕事の悩みをもつ女性は、迷ったときや悩んだときに仕事に必要なスキルや心構えを指導してくれ、生き方のアドバイスを求めることができる相談役=メンターを必要としています。

地域の女性ネットワークからメンターを探す

厚生労働省では女性が職場で将来のキャリアプランを描きつつ、仕事を続けていけるよう積極的に後押ししています。 平成24年度から『“女性社員の活躍を推進するための”メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル』を作成して、企業に対しメンター制の導入やロールモデルの育成を促しています。

とはいえ、メンター制度が導入されているのは、まだまだ一部の企業に過ぎません。そこで平成25年からは、メンターやロールモデルの確保が難しい中小企業で働く女性たち向けに、ネットワーク作りや研修などを行う仕組み作りを始めました。

政府の取り組みを受け、自治体や地域の経済団体、女性活躍や子育てを支援する団体などが中心となり、メンターの育成と女性のネットワーク作りが行われています。職場でメンターがいなくても、地域のネットワークに参加することで、メンターを探すことが可能です。

ネットワークに参加した女性たちは、「思い悩んでいるのは自分だけでなかった」、「遠慮せずに周りに助けてもらおうと思った」、と語っています。また、職場での立場の変化に対しても、人事異動はチャンス、昇進のオファーは自分の能力が認められた証拠、のように、捉え方がポジティブになった人も多いです。

このように女性ネットワークでの交流は、互いに相談したり、励ましあったりしながら、仕事の悩みを解決してキャリアアップを成功させていく助けとなっています。さらに経験を分かち合うことで、ひとりの悩みは次に続く誰かへの貴重なアドバイスになり得るでしょう。

仕事の悩みを抱えながら弱音も吐かず、ひとりで耐えている女性こそ、職場や身近な人間関係を飛び越えた相談役、メンターを探してみてはいかがでしょうか。

参照:働く女性のメンター育成と地域ネットワーク作り|厚生労働省委託事業

関連記事

PAGE TOP