明日の暮らしにちょっとしたエシカルを。

ETHICAL

新品の服が年間15億着も廃棄されている!?衣服ロスについて考えてみよう

毎シーズン流行が変わるファッション。
売れなかった衣服は、実は新品でも廃棄されていることを知っていますか?

特に最近は、新型コロナウイルスの影響によって外出頻度が減少したため、衣料品の売上は下降。
廃棄される衣類の数は年間15億着にのぼるともいわれ、社会問題となっています。

今回は、「衣服ロス」について考えてみましょう。

衣服ロスとは

衣服ロスとは

「衣服ロス」とは、新品だったり、まだ使えるにも関わらず廃棄される衣服のことです。
衣服ロスは、日本だけで年間15億着以上、廃棄量が年間約100万トンにも上るといわれています。

衣服ロスの問題は、単に使える衣服をゴミにするだけではありません。
製造にかかるエネルギー使用量が大きいのが、アパレル産業の特徴です。

衣服は、その生産過程で大きな環境負荷を引き起こしています。

例えば、綿の布を作るためには、綿花の栽培のために大量の水が必要です。
さらに、染色のためにも多くの水やエネルギーを使用します。
最終的にゴミとして処分するもののために、地球の環境を悪化させるという悪循環が起こっているのです。

ファッション業界が利益を上げるためには、流行が目まぐるしく変わり、衣服を大量に生産・購入する必要があります。

特に最近では、衣服の単価が下がり、ワンシーズンだけ着るようなファストファッションの流行が著しく、業界の売り上げは下がっているのにもかかわらず、供給点数は上がっているという状況です。

日本だけにとどまらず、ファッション業界の環境負荷の大きさはいまや国際的な課題になっています。

衣服ロスが起こる原因

衣服ロスが起こる原因

では、なぜ「衣服ロス」が起こるのでしょうか。

過剰な在庫

より多くの服を売るために、過剰に作って在庫となってしまった売れ残りです。

生産者は、欠品を防ぐための対策として、多くの商品を発注する傾向があります。
しかし、最近では気候や流行の変化が目まぐるしいため需要予測も外れがちです。
こうして過剰生産や余剰在庫が生まれます。

在庫は、値段を下げて売ってしまうとブランド価値を下げることにつながります。
そのため、在庫を店頭に並べずに焼却や埋め立てによって処分するブランドが多いのです。

アウトレットなどで販売されるものもありますが、ごく一部であり、特にハイブランドほどこの傾向が強いため、問題になっています。

納期の遅れによる注文キャンセル

衣服は注文したらすぐできるわけではありません。
布からデザイン、縫製まで多くの人の手を経るため時間がかかります。

急に流行したものが店頭から姿を消し、しばらくするとどこでも売られるようになって希少性が薄れ、結局は在庫になったり、店からの注文キャンセルが生じます。

まとめ

衣服ロスは「安くてワンシーズンで捨てる服」を求めたファストファッションの隆盛により、深刻な事態を招いています。

環境への配慮と消費行動を見直してみることで、環境にもお財布にも優しいショッピングができるのではないでしょうか。

関連記事

PAGE TOP